二人の演奏会

ピアノとベースのデュオが好きな人のために贈る、秘封倶楽部「鳥船遺跡」インストアレンジ集。全10曲/約38分。

蓮子とメリーが、銀河鉄道の世界に迷い込んで…、という「if」のストーリーを軸にした楽曲集。宮沢賢治さんの世界が好きな2人の編曲家が、蓮子とメリーになりきって曲を作成しました。

どうぞ、お楽しみください。

クロスフェードデモ

トラックリスト

01.衛星トリフネ/Bizen
02.トロヤ群の密林/ししまい3号
03.デザイアドライブ/ししまい3号
04.フェアリー冒険譚/Bizen
05.天鳥船神社/Bizen
06.夜空のユーフォーロマンス/ししまい3号
07.ハルトマンの妖怪少女/Bizen
08.天鳥船神社の結界/ししまい3号
09.感情の摩天楼 ~ Cosmic Mind/Bizen
10.宇宙に浮かぶ幻想郷/ししまい3号

物語

銀河鉄道に乗った宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーン。演奏家の二人は列車内に演奏車両があることを知ります。
演奏車両にあった楽器はピアノとベースがそれぞれ一つずつ。ちょうど二人が得意としている楽器です。
早速二人は車掌にお願いして演奏車両の使用許可を取る事に。
?―え? 何のためにって? それは勿論、さっき見てきたばかりの「鳥船遺跡」を音楽で再現するためです。
静かな室内に響きはじめる二人の音色。時に激しく心震い、時に優しく暖かく。銀河鉄道の旅は今、始まったばかりです。

カンパネルラ(和泉 亮)の日記より

彼と別れた私はそっと座席に腰を下ろしました。
車両の中には他に人もおらず、先程までわいわいと言い合っていた顔なじみも居ません。
しいんと静まりかえっていて少しばかりの肌寒さを感じます。
今列車はどのあたりを走っているのでしょうか。星ばかりの外の景色は、ぐるぐると同じ場所を廻っているかのような感覚を呼び起こすのです。
聞き慣れない駅でしばし止まったあと、ふと私の耳に届いてくいるものがありました。

「音楽? どこで…」

列車が動き出すのと同時、聞こえてきたのは車輪の音とは別のものでした。
彼も居なく、何をする当てもない私は自然と音のする方で向かっていました。

「演奏車両。ここからか」

長く乗っていたはずですが、そんな車両があるとは気付きませんでした。
そっと扉を開きますと、中には二人の少女がいました。
鍵盤と弦を弾いているところを見ますと、どうやら調整中のようです。
耳に馴染みのない音ではありましたが、それが余計に私の興味を駆り立ててきます。
これもひとつの思い出となるのでしょうか。彼への土産に、少女たちの演奏を語ってあげるのもいいかもしれません。
そして、二人の演奏会が始まります?―。

宇佐見蓮子( ししまい3号 )のこだわり

今回のピアノで一番気を付けたのは、ベースときちんと会話が出来ていて、さらに、お互いが“楽しい!”と感じられるかどうかの二点です。楽器が二種類しかないわけですから、演奏技巧そのものはあまり豊かには出来ません。そこで、二人で織りなすグルーブ感、つまり楽しさのテンションをぶつけ合うコンセプトでアレンジを組みたてました。難しいことは考えず、聞いていて体が動き出してしまうような演奏になっていると思います。 ただ、これだけシンプルな楽器構成にも関わらず、お互いが個別に考えたアレンジは、まるで別次元と言えるくらい違った個性が出るのが改めて印象的でした。

マエリベリー・ハーン(Bizen)のこだわり

このCDに取り掛かるまでストレートなジャズデュオはあまり得意ではありませんでした。ですが、このままだましだましやっていてもしょうがないので思い切ってウォーキングベースの作り方を学びました(独学で)。教本として本は4,5冊購入しています。また作成にあたってYoutubeでデュオの動画を何十時間と見ました。理由としてCDの名盤より、実際に演奏しているライブハウスなどの空気感や音の対話なんかがより掴めると思ったためです。

CD情報

タイトル二人の演奏会
原曲鳥船遺跡 ~ Trojan Green Asteroid
価格1,000円(イベント価格)
曲数10曲
総収録時間約38分
ジャンル室内音楽 など
初頒布2012.8.11
ジャケットイラストゆぜゆきこ
テキスト和泉 亮
マスタリングJeetSingh

書店委託

CD版(売り切れました)